選者プロフィールと作品
中山奈々
1986年、大阪生まれ。『百鳥』同人、『奎』『淡竹』所属
2003年、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。
2019年、第三回 円錐新鋭作品賞 特別賞
天気と時間が読めず、人生の半分は雨に濡れているか、遅刻している。
「早稲田大学」増刊女性号(筑摩書房、2017)
『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』(左右社、2017)に参加。
茄子きうり実家の住所忘れけり
夏痩せのきみが生理を心配す
霜を舐め尽くせと犬を放ちをり
夢に出て来るほど冬帽子が似合ふ
ああ春はまだ暗がりに置くピアノ
黒岩徳将
1990年、神戸市出身、東京在住。『いつき組』所属、『街』同人。
現代俳句協会青年部副部長。
2013年、第五・六回石田波郷新人賞奨励賞。
2018年、第九回北斗賞佳作。
2019年、第30回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞<一般の部A(40歳未満)大賞>
龍天に登る蒸籠の隙間より
「ブラジャー買おかな」「ほんまに買えよ」かにキムチ
もろこしを動く歩道で頂きぬ
改札は有馬記念の足の音
水仙や電車が見えて小走りに
若林哲哉
1998年生まれ。俳句結社『南風』所属、俳句雑誌『奎』同人。
「金沢大学俳句会」代表、『WHAT』編集部。
2019年、第二回全国大学生俳句選手権大会グランプリ。
第九回百年俳句賞最優秀賞。
句集『掬ふ』(2020年マルコボ.コムより)
くちぶえの吸ふときも鳴る花曇
はつ夏や紅茶に変はる水と粉
うすく影秋風鈴のあさがほに
黄落や波紋のやうに石畳
旧道を来て冬蝶の国にゐる
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